抜歯を宣告された日

ノンセクション



先日、歯の定期検診に行ってきた。

半年ぶりの検診だった。

この歯医者さんには電車を乗り継いで行かなくてはならず、ちと遠いのだ。

なぜ、そんな遠くの歯医者へと思われるだろうが、こちらの歯医者さんに急死を救われた想いがあり、信頼を置いている。

2年前に奥歯の治療痕が悪化して、抜歯が必要と言われてしまい、ショックを受けたのだが、この歯医者さんで治療して、抜歯を免れた。急死に一生を得たかの気分でした。

今回はその話をしようと思います。

歯茎にできた異常

2年前にかなり仕事も忙しくなっていた時に、ある日気づいたら右下奥歯の歯茎の外側に小さな穴が空いているのに気づいた。

はて、なんだこれはと思ったが特段痛いという感じはなく、ただなんとなく歯が浮くような妙な感覚はある。

ビビって会社近くの歯医者に駆け込んだ。

レントゲンを撮って診てもらったところ、先生からは、昔、神経を抜いて治療した歯の根っこ

でバイキンが繁殖してしまい、歯の下の骨を溶かして膿が溜まってしまったとのこと。溜まりに溜まった膿が出口を探して、歯茎に穴を開けて外に出てきてのだ。

ひゃぁ〜と思ったところに更にショックな言葉が続く。

歯科医師「これは残念だけど、この歯を抜いてインプラントかブリッジをするしかないですね」

ガーン

まだ30代だというのに歯を失うことになるとは。。。

治療法は?

歯を抜いて、バイキンを取り除けばまた時間が経てば歯の下の骨は再生してきて治るということでした。

通常はこういったバイキンが入り込んでも人間の免疫力でバイキンを閉じ込めていて、ある程度のところで留まっているのだが、体の疲労などで免疫力が落ちるとバイキンの繁殖が広がってしまうことがあるそうです。

実は家の近くの最寄りの歯医者で定期検診の時にこの歯の下に黒い影が映っていて、同様の状態にある可能性を伝えられていた。ただ、その際は影は歯の下の一部に留まっているので、様子見ですねと言われていた。

思い返すとこの頃は非常に仕事が忙しく、睡眠も不足気味でストレスレベルも高かった。それによって、免疫力が落ちて、一気に菌の繁殖が進んでしまったようだ。

ガッデムである。

この日のレントゲンには過去に定期検診で見たのと比べ明らかに黒い影が大きく映っていた。

ショックを受け、心の準備もままならぬ僕を尻目に歯医者さんは抜歯の日程を手際良く調整してくる。うーむ、プロの仕事さばき。

幸か不幸か、整形外科の先生が対応できるのがひと月程先になるとのこと。ひとまず、予約だけしてこの日は歯医者を後にした。

歯医者を出てから、なんとか気持ちを落ち着け、残念だけどなってしまったものは仕方ない。ともかく、治療すれば治るのだから前向きに行こうと自分に言い聞かせた。

インプラントかブリッジか

この後考えるべきは抜いた後にインプラントにするのかブリッジにするかだ。

色々、ネットで調べてみると、ともかくブリッジよりもインプラントが推しまくられている。

ブリッジとは抜いた歯の両隣の歯を少し削って、その削った部分と一体型の新しい歯を作って接着する形式。

この形式だと、抜いた箇所の新しい歯は両隣の歯に支えられる事になる。なので、両隣の歯にかかる負担が増えて、場合によっては支えてる歯が倒れてくる事があるとかいう記事を見た。

インプラントは抜いた歯の場所に金属のジョイントを埋め込んで固定。ジョイントに人工の歯を取り付ける方法。

インプラントなら両隣の歯を削る事もないし、新しい歯は自立しているので、両隣の歯に負担をかけることもない。だから、インプラントの方がおすすめですよというネット情報が多い。

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ただ、ブリッジは保険適用できるものもあるが、インプラントは保険適用外なので、かなり治療費が高額(相場は20〜40万円くらい)になる。

40万円て、初任給の2ヶ月分くらいじゃないか。そんなにかかるなんて。。。

インプラントにした場合、その後も定期的なメンテナンスをしないとジョイント部分が劣化したりするらしい。(まぁ、定期的なメンテナンスはブリッジにしようが、自然の歯だろうが必要だろうが)

何より、インプラントは金属のジョイントを顎の骨に埋め込んで固定する。歯茎を切り裂いて更に顎の骨に穴あけるなんて、めちゃくちゃ怖い。

じゃ、ブリッジにするかというと、両隣の健康な歯を削りまくるし、それが倒れてきちゃうかもって、なんて絶望的な状況だ。

おお、神よ、わたしはそんな罪深い行いをしたのでありましょうか。

調べれば調べるほど抜歯したくなくなってくる。

しかし、時は残酷にも一日一日とあのプロフェッショナル歯科医の調整した抜歯の日が近づいてくる。

そして、最初は特に痛みを感じなかった歯が徐々に痛みだしてくる。歯の浮く感覚も強くなり、こりゃ絶望感&絶望感。

つづく


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