メタルギアソリッド【ストーリー解説】(2)

隠された真実

シャドーモセス島に潜入したスネークはテロリスト側にロシアの重攻撃ヘリ・ハインドDが配備されていることを知る。

スネーク「大佐、ロシアのガンシップ(重攻撃ヘリ)が何故ここに?」

スネークが問うが、キャンベルにも理由はわからなかった。スネークはこの蜂起の裏には何か秘密があることを察知する。

<div class=”information-box”>補足情報1</div>

<解説>

このハインドDはロシアのテロリストであるゴルルコビッチから提供されたもの。

ゴルルコビッチは『メタルギアソリッド2』に登場する。

リキッドらはゴルルコビッチと協力して逃走する予定だった。

核廃棄施設に侵入したスネークは独房に捕らえられていたドナルド・アンダーソンを発見。

彼の話から当日行われていたのはアームズテック社が開発した新型メタルギア・レックスの極秘演習であることを知る。

核搭載歩行戦車として開発されたメタルギアは地球上の様々な位置からの核弾頭発射を可能にする。これにより、世界の核軍事バランスを崩す存在となる。

レックスの核発射は安全装置PALで制御されており、PALを解除しなければ核は発射できない。

PAL解除にはドナルド・アンダーソンとケネス・ベイカーが持つ2つのパスワードが必要となる。しかし、アンダーソンのパスワードはサイコ・マンティスの読心術によりすでに知られてしまっていた。

PAL

Permissive action link。核兵器のアクセス制御セキュリティ装置。適切な権限下にない核兵器の発射を防ぐ目的で実装される。

初期のPALは核兵器の制御および発射システムに導入された単純なロックに過ぎなかった。しかし、近年はプログラムされた発射パラメータを暗号化し、弾頭を爆発させるために復号化が必要となっている。

また、他のセキュリティ機能が失われた場合に意図的に弾頭を誤爆させ、核爆発を発生させずに破壊する anti-tamper systems(アンチタンパーシステム)が含まれる。

残るベイカーのパスワードがテロリストの手に落ちていれば、核発射が可能になる。

アンダーソンは核発射を止める方法としてPALキーが存在することを明かす。PALキーはアームズ・テック社が緊急時に備えて用意した機能で、パスコードなしで核発射のセーフティを有効/無効化ができる。PALキーは3つ存在し、全て揃える必要がある。キーは地下二階のどこかに捕らわれているベイカーが持っていると話すアンダーソン。

アンダーソンはスネークに他にPALを解除する方法を”雇い主”から聞いているのではないかと聞く。

後に明らかになるが、ここでスネークと会話しているアンダーソンはFOX HOUNDのデコイ・オクトパスが変装した姿。

ここまで話すとアンダーソンは突然苦しみ出し、心臓発作で死んでしまう。

キャンベル「心臓発作?もしや?」

スネーク「大佐、俺に何か隠しているのか?」

キャンベル「ない。わかってくれ。今回のテロはコード・レッドのセキュリティ・レベルが敷かれている。真相を知るには最高度のセキュリティ・クリアランス(機密接近資格)が必要だ」

スネーク「作戦を任されている大佐が、最高機密のアクセス権限をもっていないというのか?」

キャンベル「本作戦の指揮官は国防省長官だ。私は君のサポート役にすぎん。スネーク、議論をしている時間はない。そこから脱出しろ」

深まる疑惑の中、スネークは独房を脱出する。

第3の存在

独房の扉が開き、そこには敵兵の姿。しかし、その声は女のものだった。立ち振る舞いから、新兵と感づくスネーク。そこにゲノム兵たちが現れる。スネークと新兵はゲノム兵たちと銃撃戦となり、彼らをなんとか退ける。

すると新兵はスネークを銃で威嚇すると立ち去ってしまう。直後に一瞬、ガスマスクを被り宙に浮く人物が現れてすぐに消えてしまう。

スネーク「ナオミ!今おかしな幻覚が見えた。ナノマシンの故障じゃないのか?」

ナオミ「いいえ、それはきっとFOX HOUNDのサイキック、サイコ・マンティスの精神干渉ノイズよ」

スネーク「あれがマンティス」

スネークは地下二階を探索し、隠し部屋に囚われていたベイカー社長を発見する。

しかし、ベイカーは柱に縛り付けられており周囲にはC4爆弾に繋がるワイヤーが張り巡らされていた。

C4に気づいたスネークを銃弾が襲う。咄嗟にかわすスネーク。

射撃手はFOX HOUNDのリボルバー・オセロット。スネークはベイカーを救うべくオセロットと戦闘に入る。

スネークとオセロットの戦いの中、強化骨格を装備した謎のサイボーグ忍者が現れオセロットの右腕を切り落とす。オセロットは退散し、忍者は突然発作を起こし、姿を消す。

スネークはベイカーを救出。ベイカーから、パスコードを拷問によって話してしまったことと、独房から逃げた女兵士にPALキーを託したことを告げられる。

女兵士は当日に急遽演習に合流し、この蜂起への参加を断って独房に入れられていた。彼女がキャンベルの姪メリル・シルバーバーグであった。

PALキー以外の対処策、もしくはメタルギア自体の破壊方法についてはアームズテック社のメタルギア開発プロジェクト・チーフであるハル・エメリッヒから得られる可能性があることも告げられる。

20世紀末の核兵器

20世紀末に核の時代は終わったと考えられていたが、実際は核の脅威はよりリアリティを増しているとベイカーは話す。

使用済核燃料や核解体プルトニウムは依然、増え続けている一方でその管理はずさんを極めていた。核物質は有効な処理方法も利用方法もなく、貯蔵庫に溜め込むしかない。貯蔵容器の腐食により、廃液の漏洩やMUF(核物質不明量)も発生していた。MUFは核物質の闇取引が横行している証左だった。さらに冷戦の集結後、ロシアを中心に核技術者は行き場を失っていた。この時代はたとえ小国であっても核武装可能であった。核大国であるロシアや中国もいまだに核抑止を続けていることは、すなわち核廃絶の実現の難しさを示していた。

だからこそ、抑止理論を保つための絶対的な兵器が必要となり、それを目指してアームズテック社が開発したのがメタルギア・レックスだった。

幻想とはいえ軍縮が叫ばれる時代背景と折からの経済不振により、兵器業界は大打撃を受けており、アームズテック社も例外ではなかった。同社は次期主力戦闘機計画の入札にも失敗し、生き残りをかけてメタルギア開発に取り組んでいた。

アームズテック社は国防総省と癒着しており、国防省の影の予算での隠密計画としてメタルギアのプロジェクトを進めていた。

今回のシャドーモセス島での演習結果で正式採用が決まる予定だった。

ベイカーから今回の演習のデータを納めた光ディスクを受け取るスネーク。

ベイカーの死

しかし、スネークと会話中に苦しみ出すベイカー。

ベイカー「貴様、何かしたな?まさか、例の?国防総省の役人どもめ。そうか、そういうことか、奴らはお前を利用し・・・」

ベイカーはそこまで話すと死亡してしまう。

スネーク「大佐聞いているか?こいつも死んだぞ。いいか、隠し事はするな」

ナオミ「心臓発作のように見えるけど」

キャンベル「スネーク頼む。メリルと協力してくれ」

アンダーソン局長とベイカー社長、2人が立て続けに心臓発作で死亡したことに不信感を募らせるスネーク。

メリルと通信をとるスネーク。メリルからこの場所が核兵器廃棄所ではなく、アームズ・テック社のダミー会社が所有するメタルギア開発のための基地であることを知らされる。そして、当日、メタルギアの模擬核弾頭発射演習を実施するため、FOX HOUNDと次世代特殊部隊が召集されていた。メタルギア開発を極秘裏に進めたかった当局からすればいまだに影の部隊として公にされていなかったFOX HOUNDはうってつけの存在だった。

彼女がPALキーと、エメリッヒ博士が捕らわれている核弾頭保存棟に入るためのカードキーを保持していることを聞く。

メリルが保存棟へのロックを外し、2人は別々にエメリッヒ博士の元へ向かう。

核弾頭保存棟へ向かう途中には地雷源がスネークを待っていた。ディープ・スロートを名乗る謎の人物が通信回線を使って地雷探知機で回避するようスネークに助言してくる。

地雷源を抜けた先にはさらにバルカン・レイブンの操るM.1戦車が行手を阻む。チャフグレネードを利用して、戦車を退けるスネークは核弾頭保存棟にたどり着く。

レイブン「これでいいのか?ボス。」

保存棟でハル・エメリッヒを見つけたスネーク。しかし、そこにはあの謎の忍者も現れる。スネークに戦いを挑む忍者。

忍者との戦闘を制したスネークだが、忍者はまた発作を起こし、姿を消す。スネークは忍者の正体が元FOX HOUNDのグレイ・フォックスであることに気づく。

ザンジバーランド陥落の際に死亡したと思われたフォックスは遺体を回収され、強化骨格の移植と麻薬漬けにより蘇生させられていた。そして、そのまま遺伝子治療の実験台にされる。その実験結果を応用し、次世代特殊部隊のゲノム兵が開発されることとなる。

フォックスはすでに正常な思考はできず、戦闘本能だけで行動しており、本能のままにスネークに戦いを挑んできた。スネークはまた再びフォックスと戦うことになると予想する。

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