本来は2020年に公開予定だったが例のウィルスの世界的な蔓延の影響で日本での公開が2021年7月にまで伸びの伸びたこの映画。待ちに待った公開日に見てきました!
みんなはどんな感想を持ったんだろうと気になりつつ、まずは自分の感想を述べておこうと思います。すみませんがネタバレ全開ですので、閲覧についてはご注意お願いします。
戦闘シーンのヴィジュアル的な新鮮さ
もともとこのシリーズは映像的なクオリティは初期作品の『ゴジラ』(2014)から高いものがありました。ただ、『ゴジラ』と『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)を比べると、登場キャラクターの違いはあるものの、少し映像的な真新しさが少ない部分が
ありました。
しかし、今回の『ゴジラvsコング』の怪獣同士の戦闘シーンは新しい映像構成が提供されていて、この点とても楽しめました。
海上の空母での戦闘 + 水中戦のミックス
過去の昭和~平成のゴジラ作品でも意外となかった空母上での戦い。(エヴァンゲリオンの第8話で弐号機が空母を足場にしながら戦うというのがあったけども。)一番、近しいのは『ゴジラvsモスラ』で生まれたばかりのモスラ幼虫とゴジラ、バトラ幼虫がモスラの卵運搬用の水上カーゴを囲んでの戦闘くらいか。ただ、それもカーゴにビームが当たって爆発するくらいでこれまでの水上戦と大きくは変わらないものだった。
今回の空母上の戦闘では、空母上で鎖でつながり動けないコングに水中からゴジラが接近するシークエンスや空母ごとひっくり返って水中に沈むコングなど、シチュエーションを生かした攻防が描かれているのがよかった。戦闘している場所がただのモブで終わらず、戦いに絡められているのが面白い。
空母上でのゴジラとコングの殴り合いも迫力があるし、水中からゴジラが熱戦を吐き、それを避けるためにコングが空母から飛ぶ降りるなど、ビジュアル的なカッコよさも押さえてて映画内の第一戦としては100点満点中120点くらいのシークエンスでした。
香港のビル街をジャングルのように飛び回って戦うコング
昼間の空母上の戦闘から打って変わって、夜景の香港での戦闘。水中戦はコングが不利だったが、障害物が多い狭い空間内ではコングの主戦場のジャングル的な状況なので、ゴジラに対しても機敏性で優勢に戦えるんだというのが描かれている。
これに加えて、コングにはゴジラの熱戦を受け止めてそのまま攻撃に転用できる斧を持っているので、ゴジラの飛び道具対策も備えているので、初戦とは大きく戦況は変わっている。
こういう都市部でコングがビル間を飛び回って戦う映像はこれはこれで意外となかったので、また新鮮。熱戦を受け止める斧も完全なニューウェポンなので、これもカッコいい。
メカゴジラの強烈なパワーファイト
まずはゴジラとメカゴジラの1対1での戦いから始まるが、とにかくメカゴジラがエグイくらいに強い。ゴジラはぼっこぼこにされるが、このボコボコっぷりもまた新しい。ここまでシリーズ通じて、最強クラスの怪獣として描かれ続けてきたゴジラだからこそ、そのゴジラがここまで一方的に攻め込まれることでメカゴジラの強さが際立つ。
だからこそ、ここからのゴジラとコングの共闘が燃える展開になる。
総合評価は・・・
ということでここまで『ゴジラvsコング』の見どころを紹介してきました。では総合評価はというと70点くらいかな。なかなか優秀ですね。時間やお金の無駄にはならず、一見の価値あり。
ただ、70点でいうこの30点が大きい見るるか小さいと見るかは微妙なところ。
本作はストーリーの面でもったいない部分が結構あります。
『ゴジラvsコング』は『ゴジラ』から始まるモンスターバースシリーズの4作目です。当初このシリーズは第5作まで制作される予定だったものが、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』が興行的に不振だったことから、シリーズが短縮されて本作が最終作になることになりました。そのため、本来の5作目で描く予定であった要素が本作にマージされている可能性もあります。
その点を考慮すると、なるほど深堀り不足な要素がたくさんあります。
この辺を描いていくとストーリーの深みが出てきてもっと素晴らしい作品になったのではという気がします。ただ、そうすると1本の映画ではなかなか時間的に厳しい。やっぱり、5作目ありきでやったほうがよかった。そっちのバージョン見たかったなーと思ってしまう。
これらの深掘り不足の要素はまた次の機会にまとめようと思います。
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